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出雲市総合ボランティアセンターの概要

出雲市総合ボランティアセンター構想に関する提言書

 平成9年(1997)12月9日に出雲市総合ボランティアセンター設立のため「ボランティア推進懇話会」が発足しました。
 その懇話会が出雲市総合ボランティアセンターのボランティア活動の基本的な考え方や設置、機能などの概要を考え提言書として取りまとめました。
 そして、平成10年(1998)6月22日に提言書は出雲市長に提出されました。
 同年11月28日、この提言書を基本として出雲市総合ボランティアセンターが開設されました。

 以下、提言書(原文ママ)

1.はじめに

ボランティア活動の経過、現状、課題

 出雲市においては、市民生活のさまざまな場面において、市民による自発的で非営利の活動が行われてきました。

 その活動分野は、給食サービスや手話・点訳などの社会福祉関係、読み聞かせや科学実験教育、交流学習などの教育関係、自然保護や環境美化等の環境関係、スポーツ少年団やレクリエーションなどの指導等のスポーツ関係、通訳やホームステイの受入れなどの国際交流関係、地域における伝統芸能や音楽等の芸術文化関係など多岐にわたっています。

 また組織的な取り組みとして出雲市社会福祉協議会に設置された出雲市ボランティアセンターや、公民館等においても、その役割のもとに各種のボランティア関連事業が行われてきています。

 このような状況のなかで、平成7年(1995)、8年(1996)に多くのボランティアによって開催された「ボランティアフェスティバル」において、「ボランティア活動は、自立と共生の考えを身につけた人々をはぐくみ、健康で文化的なまちをつくる源である・・・等」のアピール宣言が採択されるとともに、出雲市議会においては、平成7年(1995)に全国初の「ボランティア推進都市」の宣言が決議されるなど、出雲市におけるボランティア活動は、さらに大きな広がりをみせつつあります。

 さらには、先の阪神・淡路大震災や、日本海重油流出事故でのボランティアの活躍は、出雲市においても、市民のボランティア活動への関心を一層高めることとなりました。

 しかし、今後、よりボランティア活動を普及あるいは活性化させていくためには、多岐にわたる活動に関する情報を、整備充実させていくことが重要な課題といえます。

 ボランティア活動に参加したくても、「どこへ問い合わせればよいか判らない」「どのような活動があるのか判らない」などのボランティア活動情報そのものの不足や、活動の種類の偏りなど、情報を一元的に管理する仕組みや拠点等が十分でなく、市民のニーズに応えられなくなってきているのが現状です。

 一方、本年3月には、国において「特定非営利活動促進法」いわゆるNPO法が成立し、公布されました。

 この法律は、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的に制定されたものです。法律の内容としては、活動範囲の制限的な列挙や、寄附金の税金控除の規定が今後の検討課題とされているなど、十分とはいえないまでも、この法律の成立を機に、新しい社会状況が生み出されるものと考えられます。

 市においては、このような状況と課題そして法律の制定を受けて、我々市民・団体において一層ボランティア活動の充実がなされるよう、施設の整備や条例の制定などの基盤・環境整備が図られることを期待しています。

2.基本的な考え方

ボランティア活動の考え方、定義

 ボランティア活動とは、自らの意思に基づいて、自己の能力や労力などを社会に役立たせていくことであり、営利を追及することを主とした目的として行う活動ではありません。

 また、その活動は、市民一人ひとりが人を思いやる気持ちをもって、日々の地域等での活動を積み重ねていくことであり、そこには知識だけでなく数多くの経験も大切な要素となっています。

 ボランティア活動の中には、あくまでも個人の意思を尊重しつつも、災害等の発生による対応として、行政とともに活動するなどの、公益的な性格をもつ多様な活動も含まれます。

 また、政治(政党活動)や宗教(宗派、布教活動)に関する活動については、懇話会での話し合いの対象から除いています。

3.ボランティア活動の取り組み

ボランティア団体・個人が行っていく取り組み

 ボランティア活動には、専門的な技術や資格などが必要な場合や、資格などがなくても参加できるもの、あるいは、自分の力に応じて共に楽しみながら参加できる活動など、さまざまなものがあります。

 こうした活動を進めていくためには、一人の力では限りがあり、また、なにかができるための自信をもてるよう、他の人たちと協力していくことが必要となってきます。時間をかけて築きあげてきた、人と人、団体と団体との信頼関係は、ボランティアのネットワークとして重要であり、財産ともなります。

 ボランティア活動の推進のためには、市民がこぞって良い社会、住みよい町にするために、まず自分でできることから始めるとともに、個人や団体が連携することにより、福祉、教育、スポーツ、文化、科学、環境等を含む多方面の分野にわたる活動を、さらに充実・拡大させていくことが必要と考えます。そこに情報の交換が活性化され、情報の蓄積がされていくこととなります。

 将来的には、市民が作ったネットワークを母体として、NPO法に基づく法人格を得た団体が活動できるよう努めていきたいと考えます。

 また、ボランティアの活動は、自分たちでできることは自分たちで行う、という意識のもと、行政や関係機関等からの直接的な支援よりも、活動のための環境整備を求めていきます。

4.ボランティア活動への行政等の支援(関わり方)

 ボランティアは、「市民の非営利セクター」と呼ばれ、「政治・行政セクター」「企業の営利セクター」に次ぐ第3のセクターとして位置づけられています。

 このように、行政とボランティアは、それぞれが独自の役割を持ち、対等のパートナーとして関係を保ちながら、行政はボランティア活動に対し、環境整備や基盤整備などの間接的な支援を行う必要があります。

 例えば、環境整備としては、市民が日常的に意識啓発の機会が得られるためにも社会的認知への支援や、情報の提供、交流、共有の仕組み作り、ボランティア推進条例の制定によるボランティア意識の向上など、また、ボランティアの学校教育への展開などがあげられます。

 また、基盤整備としては、活動の拠点、活動の場の整備や、活動ニーズに合わせた財政的な支援等があげられます。

 このような支援の外に、行政による他の行政機関や関係団体、企業等との調整が行われることにより、ボランティア活動が一層活発化されていくものと思います。

5.総合ボランティアセンターの設置

総合ボランティアセンターの必要性

 ボランティア活動を円滑に進めていくためには、ボランティア情報の収集・発信や、活動の拠点となる施設であるボランティアセンターの充実が求められています。

 総合ボランティアセンターは、市民がボランティア活動を行うための支援 機関として、他の推進機関や行政等との連絡調整を行うとともに、情報の収集・発信、ボランティア同志の情報交換の場など、ボランティア活動の拠点として活用していく施設となります。

 出雲市には、社会福祉協議会や公民館等のボランティア推進機関があり、それぞれの役割の中で、ボランティア活動への側面的支援が行われています。しかし、多様な分野にわたりかつ全市に及ぶ新たな推進機関となる総合的なボランティアセンターの設置は、今後、諸活動を大きく推進していくためにも、是非必要なものです。

総合ボランティアセンターの設置と管理運営

 総合ボランティアセンターは、市が設置する公共施設となるため、維持・管理等の基本的な事項については、市の責任で行われるべきものです。

 一方、このセンターは、ボランティアが自由に使って活動を広げていくためのものであり、行政とボランティアが対等の立場であることを基本として、センターの主体性や民間性を損なうことなく、ボランティアの意見を十分に反映した運営がされるべきものと考えます。

総合ボランティアセンターの機能等

 総合ボランティアセンターの具体的な機能としては、

  • 情報の収集と紹介
  • 需要と供給の調整
  • ボランティア活動やミーティングなど、いつでも誰でも利用できる場
  • ボランティア人材の養成
  • 全国的、地域的ネットワークの構築
  • コーディネーター、事務局員の配置
  • 各種団体、行政機関との連携

 などがあり、

 また、必要な設備としては、

  • 印刷機器等の事務機器の設置
  • バリアフリーの構造
  • 夜間・緊急時にも対応可能
  • センターは明るい雰囲気に整備を

 などが求められます。

 このような機能・設備を備えた総合ボランティアセンターが整備され、多くのボランティアが活用していくことにより、ボランティアがまちで育まれ、まちに大きく広がることになります。

6.さらなるボランティア活動の充実にむけて

 懇話会においては、出席者から多様な意見が出され、ボランティアへの関心の深さと、市への期待の大きさがうかがわれます。

 示された意見は、施設・設備、人的配置、具体的機能に分類し、別表(PDFファイル)のとおりまとめました。

 なお、これらの施策を市において実施される場合には、その都度、市民の意見を聞きながら取り組まれることを要望するものです。

 以上のような市民による活動から、21世紀を担っていく子供たちが健やかに育ち、若者が希望をもって働き、お年寄りや心身に障害のある人達も孤立することなく、心豊かに健康で文化的に暮らせる社会の実現を目指します。

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